アフリカの都市人口はおよそ4.9億人(総人口の41%)ですが、
年々増加の一途をたどっており、2050年には約3倍に達すると推定されています。
都市化に進展とともに、廃棄物の量も増え続けています。
急激な人口増加、都市化に伴う廃棄物の急増に廃棄物管理の整備が追い付かず、
ごみが収集されずに街の衛生状態や美観を損ねています。
街中にごみが散乱、特に、ごみ収集コンテナが満杯となってごみが周囲に散乱している光景がよく見られます。また、路地裏や空き地など公共サービスが行き届いていない区域にごみが投棄されているのもよく見る光景です。そのような状況は、地域の治安悪化にもつながります(「割れ窓理論」と言われます)。
アフリカのごみの主要組成である有機ごみは、害虫・害獣を引き寄せます。気温の高い地域ではハエの発生が促進されやすく、糞口感染により胃腸炎、肝炎、コレラなどが蔓延する原因となります。また、プラスチックごみに溜まった水は蚊の発生を促し、デング熱や黄熱病を広げます。
アフリカのごみの組成の多くを占めるのは有機物ですが、経済成長によるライフスタイルの変化により、プラスチック、電気電子製品、タイヤなど、その処理に特殊な技術を要する廃棄物が増えてきました。多くの使用済み電気電子製品が先進国から輸入され、その中には機能しないものが少なからず含まれます。これらの廃棄物を適切に処理する技術及び法制度が整っていないアフリカの国々では、不適切な処理により作業者が鉛やダイオキシンで健康を害したり、環境が汚染されたりといった問題が引き起こされています。
多くの街では、ごみを収集できたとしても適切に処分できていません。サブサハラでは、70%以上のごみがオープンダンプサイトに投棄されています。
オープンダンプサイトでは、害虫や害獣の問題が発生するだけでなく、浸出水による表流水や地下水の汚染、悪臭、火災などの環境汚染や周辺環境への悪影響が引き起こされます。また、温室効果ガスであるメタンがコントロールされないまま大気に放出され、気候変動の一因ともなっています。さらに、近年ではごみ山が崩落し、多くの人命が失われています。
公衆衛生の向上、環境汚染対策、循環型社会の形成など、先進国は長年に渡って、ひとつひとつ課題を解決してきました。しかし、アフリカの国々にはこれらの課題が短期間に一度に押し寄せ、その対応に迫られています。廃棄物の問題は技術だけではなく、法制度整備、関連機関の能力や市民意識の向上など、社会そのものの変化が必要で、それにはある程度の時間が必要です。この過程の中でごみ問題が起きているのです。
アフリカでは
既に廃棄物問題が表れており、かつ、
今後さらにごみ量が増大することが
予想されています。
将来のためにも、今、
この問題に取り組むことが重要です。